IT系の資格といえば、よく聞くのは「ITパスポート」ではないでしょうか。
最近では、小学3年生が最年少記録更新でITパスポート試験に合格と言うニュースもあり、見た方も多いのではないかと思います。
ITパスポートはれっきとした国家資格であり、情報処理の促進に関する法律に基づいた試験となっています。
難易度は易しく、初心者向けの資格とも言えます。
ITに関する基礎知識が証明出来ることもあり、文系・理系、また職種関係なく様々な方が受験しており、合格率も50%前後となっており、チャレンジし易いものとなっています。
※受験資格もなく、どなたでも受けることが出来ます。
IT業界未経験の方は、ITパスポートを取得しようとしている方も多いのではないでしょうか。
今回はそのITパスポートが、転職に有利であるのか、またどのようなアピールポイントがあるのかお伝えしていきます。
1.ITパスポートは転職に有利である!
結論から言うと、IT業界未経験で転職するにあたり、ITパスポートは有利になります。
ITパスポートは、IT知識の基礎中の基礎と言えるものです。
そのため、難易度も高くありません。
IT業界未経験の転職に有利
ITパスポートを取得しておくことで、IT業界未経験の方には力になります。
IT系企業で働く場合、エンジニアに限らず、事務職や営業職でも持っておくべき最低限の知識であり、それを身につけていないのは最低ラインにも立てていないものとされてしまいます。
資格と言うより、知識を持っているかどうかが大事なポイントになります。
しかし、その知識レベルを測るのにITパスポートが指標となります。
「この人はITについて最低限の知識を有している」と判断できるのがITパスポートなのです。
IT系企業が、IT業界未経験の方を採用するには様々なリスクがあります。
・PC操作の初歩的な指導
・リスク管理の教育
・ITリテラシーの教育
等々、企業にとってリスクであり、コストであり、手間であるのに加えて、マイナス要素が強い賭けでもあるのです。
ITパスポートを取得していることで、そのハードルを下げることに繋がります。
一般企業からの転職をする方はもちろん、日常的にPCに触れる機会が少ない飲食業、建設業の現場で働いている方や、専業主婦や子育て終わりの主婦からの再就職を目指す方々にとって、ITパスポートは有利になります。
新卒の就活にも有利
ITパスポートの取得は、新卒の就活にも有利です。
ITの基礎知識を入社時から有しているというのは、基礎以上のことから教育を始めることが出来るので、その分の教育コストが低く抑えられるのと、より高いレベルの人材を育成しやすくなります。
採用する側の企業としては、何も知識を有していない人に比べて魅力的に見えるでしょう。
ただ、エンジニアのようなIT技術職希望としては、正直物足りないレベルですので注意が必要です。
ITパスポートを有しているということは、業務上の会話やコミュニケーションに困らず、事務職や営業職、カスタマーサポート職で働く分にはメリットとなります。
採用する側としては、学生のうちに取得しておいてもらいたい資格と捉えています。
IT企業では入社前に取得を義務付けている企業もあったり、一般企業でも研修期間で取得させる企業もあります。
他の人よりも一足先に取得しておくことで、自分はプラスαのスキルを身につけられるチャンスを作り出すことも出来ます。
ITエンジニアの転職には有利ではない
注意していただきたいのが、ITエンジニア職への転職には有利ではないということです。
エンジニアに求められるのは、スキルです。
ITパスポートレベルの知識は持っていて当たり前、なのです。
ただ、決して無駄であるという訳ではなく、基礎を押さえているという意味では取得しておくのは良いかと思います。
ITパスポートのみならず、ITスキル標準(ITSS)の上位レベルの資格も取得するのをオススメします。
2.ITパスポートとは
ITパスポートの概要
ITパスポートは、国家資格である情報処理技術者試験の一つです。
基本的には、ITを利活用する人で、全ての社会人を対象としています。
ただ、全ての人が受験することが出来る試験となっていて、小学生の合格者も多数輩出しています。
※同じくITを利活用する人を対象とした試験では、「情報セキュリティマネジメント試験(SG)」があります。こちらは、ITの安全な利活用を推進する人も対象としています。
職業人が共通に備えておくべき情報技術に関する基礎的な知識が問われるのが、ITパスポートです。
出題範囲としては、下記の3分野から出題されます。
◾️ストラテジ系・・・企業と法務、経営戦略、システム戦略
◾️マネジメント系・・・プロジェクトマネジメント、サービスマネジメント
◾️テクノロジ系・・・基礎理論、コンピュータシステム、技術要素、開発技術
ITパスポート専用の参考書は数多く存在していますので、早速勉強を進めてみて下さい。
オススメのITパスポート参考書
もし、参考書の数が多すぎて選べないというのであれば、これからご紹介するものを参考にしてもらえたらと思います。
この1冊で合格! 丸山紀代のITパスポート テキスト&問題集
合格率9割のプロ講師である丸山講師が、独学者に向けて解説している参考書になります。
全ページオールカラーで仕上がっていて、読み進めやすい内容になっています。
項目ごとに問題が付いているので、勉強してすぐに内容を試すことが出来ます。
丸山講師の人気講義を凝縮した内容で再現されていることだけあり、ピンポイントで無駄の少ない解説になっていると感じました。
また、ほとんどの項目で図表が使用されており、視覚的にもイメージしやすく、理解が進みやすい一冊です。
かんたん合格 ITパスポート教科書 令和3年度 かんたん合格シリーズ
ITパスポートの範囲は広いですが、合格ラインの範囲を必要最低限に絞った解説がなされています。
IT用語の意味も、簡潔にひとつづつ丁寧に解説もされています。
IT知識をあまり持っていない人でも、分かりやすいように一般的な言葉を使うように工夫されているため、頭の中にスッと入ってきます。
色合いも、モノクロでなく、薄橙色の落ち着いたカラーで構成されているので見やすい一冊となっています。
(全文PDF・単語帳&過去問アプリ付)かんたん合格 ITパスポート過去問題集 令和3年度 春期 (かんたん合格シリーズ)
先ほどの、ITパスポート教科書に加え、過去問題集も併せると効果抜群です。
教科書で学んだことをすぐに過去問題集で実施しましょう。
最短合格を目指す方向けの一冊でもありますので、もちろんこの一冊のみで合格出来る、という方もいらっしゃるでしょう。
基本的に過去問題集ですので、先述2つの参考書のような、順を追った細かい解説はされていません。
ただ、問題の回答ごとに解説がなされていますので、そちらでも十分応用は効きます。
また、年々広がっていく出題範囲に合わせて、新しい用語に付いての解説は別途設けられているため、「ちょっと古い参考書は買っているんだけど…」という方は、新しくこちらを買ってもらえたら良いでしょう。
3.ITパスポートの有効性・アピールポイント
ITパスポートは、現代において万能な有効性を持ち合わせています。
現在、IT業界以外の企業でも、ITと接点のない会社はほとんどないと言ってもいいでしょう。
ITパスポートはITの知識だけでなく、経営系の知識についても学び、習得していくことが出来ます。
IT業界に転職するしないにも関わらず、取得していて損はないものとなっているのも、ITパスポートの魅力です。
何か資格を持っていることで、他の人が持っていない人と差をつけているアピールポイントにもなります。
また、ちゃんと自分は頑張った、その分知識も付いた、と自信を持つことも出来ます。
面接で、ITパスポートを取得した経緯であったり、どのように勉強してきたのか等も聞かれる可能性があるので、会話のきっかけやアピールポイントとなるエピソードを話す機会にも繋がります。
特に、IT業界未経験の方がIT業界に飛び込む場合、次のようなアピールポイントがあります。
IT分野への関心アピール
特に若い方は、学生の頃からITに触れる機会も多くなってきており、ITについて学ぶことに抵抗がない方は比較的多いかもしれません。
しかし、苦手意識を持っている社会人の方もまた一定数存在します。
IT分野の需要は高まりつつある一方、積極的になれず知識を得られない人は多いです。
そこで、IT分野に興味関心があること、また、ちゃんと学習を重ねてきたことを伝えることはアピールポイントとなります。
努力出来る姿勢アピール
比較的難易度は低いと言っても、れっきとした国家資格の一つです。
受験勉強に時間と努力をつぎ込む必要があります。
社会人となって、中々まとまった時間も取れず、空いた時間で努力を重ねる方がほとんどでしょう。
その中で、自分はこれだけやったのだ、会社に入ってもこの努力が出来る人間だ、というのはアピールポイントとなります。
4.まとめ
ITパスポートは、IT業界未経験の転職に有利です。
ITの基礎知識から、経営の知識まで幅広く身に付くので、社会人スキルをあげるのにも一役買ってくれる万能の資格と言っても良いでしょう。
取得しておいた方が良いかどうか迷っている方は、「Yes」です。取得しましょう。
あなたのこの努力が、未来のあなたの人生を大きく変える一歩となるでしょう。
是非、チャレンジしてみて下さい。